Reunion Blues / Oscar Peterson

Reunion Blues (Reis)

ずいぶん前にMPS時代のオスカー・ピーターソンのCDを大量に仕入れたのだが、なかなか聞く暇がなかった。これはその一枚で1971年の録音。コンセントが4本、でミルト・ジャクソンのだけ抜けかかっているという、意味があるんだかないんだかよく分からないジャケット・デザインも秀逸。

中身はと言えば、ジャズ保守本流の権化であるところのオスカー・ピーターソンとミルト・ジャクソンが、ロックの象徴であるところのローリング・ストーンズの「Satisfaction」を弾く、という、まあなんと言いますかキワモノが冒頭を飾る作品。とはいってもそこは名人二人のやることなので、ちゃんと自分たちの土俵に引きずり込んでいて普通に楽しめる。ごついおじさんたちが一所懸命可憐に弾く「いつか王子様が」、というのもなかなか味わい深い演奏ではある。

ただ、このCDも昔風に言うところの「B面の名盤」で、後半のほうが演奏の密度は高いように思う。特に以前二人が共演したときにも弾いていたタイトル曲は出色の出来だ。

しかしいつも不思議に思うのだが、ヴァイブ入りピアノ・カルテットって、編成はMJQと全く同じなんだよねえ。なのに音楽の湛える雰囲気は全然違う。ジョン・ルイスの空間支配力、というのが今更ながら偲ばれるのである。

こんな感じ。

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