The Complete Live Recordings At Ronnie Scott's February 28th 1969 / the Kenny Clarke - Francy Boland Big Band

Complete Live Recordings at Ronnie Scott's-Februar

タイトルの通り、1969年2月28日、ロンドンのジャズクラブ「ロニー・スコッツ」におけるCBBBのライヴ録音。店主ロニー・スコットはテナー・サックス奏者でCBBBのレギュラーでもあり、このレコーディングにも参加している。CBBBの屋台骨を長らく支えたベーシストのジミー・ウッドはこの日は他に用事があったようで、代わりにスコットランド人の名手ロニー・マシューソンが参加。

元々ファースト・セットが「Volcano」、セカンド・セットが「Rue Chaptal」として別々に発表されたものだが、どちらも甲乙付けがたい出来なので、CD1枚にまとめられたのはありがたい。この夜は(あるいはこの時期を通じて)バンドの調子が相当良かったようで、円熟期のCBBBの快演がたっぷり楽しめる。録音状態も良好。

どの曲も優れた演奏なのだが、個人的な好みとしては後半のほうがややこなれた感じで、皮一枚上だろうか。特に9曲目のSax No Endはこのバンドのオハコで何度も演奏しているが、やや荒っぽいとは言え、ここでの演奏が一番迫力がある。ケニー・クラークとケニー・クレアがツープラトンで乱打するドラムスと張り合うように、コーラスを重ねるごとに少しずつ熱気を帯びていくジョニー・グリフィンらサックス陣の吹きまくりが素晴らしい。客の反応も熱い。最初はひたすら楽器奏者がソロを回して、最後に全員でアンサンブルをガーンとぶつけるという構成は、かつてボランが渡米した際に仕事をしたメリー・ルー・ウィリアムスのTrumpet No Endを下敷きにしているのだろうが、強烈にカッコイイの一言。ちなみにTrumpet No Endはアーヴィング・バーリンのBlue Skiesのコード進行を元にしていたが、こちらはたぶんChinatownですかね。

この前もこの後も名演を残しているCBBBだが、いろいろ聞いてみた感じでは、このへんの時期が一番脂が乗っていたような気がする。ほぼメンツが固定されて強力な陣容を誇っていたCBBBだが、翌1970年には最初期からアルト・サックスの重責を担っていたデレク・ハンブルが夭折するなど、次第に終幕が近づいてくるのである。

後半のタイトルにもなった7曲目。Royal Roostとか、Sportin’ Crowdとか、あるいはTenor Madnessとか、いろいろな名前で呼ばれているおなじみのブルーズですが、最初に録音したのは(1946年)ケニー・クラークなのかな?

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