African Nite / Randy Weston
ランディ・ウェストンは実力があり、それなりに名もあるが、これといった決定打が無かったように思う。本来の力量は大したことないのに、とにかく一発名盤を残したことで歴史に名を残した人というのもいるわけで、なかなか難しいものである。
作曲面ではLittle Nilesをはじめ多くの人にカバーされた名曲があり、ピアノもじっくり聞いてみるとかなりオリジナルというか面白いのだが(言われるほどモンクとの類似性はないと私は思う)、元々ちょっと取っつきにくいところがあって、60年代以降強まるアフリカ志向も、一般的なジャズ・ファンの嗜好からはやや外れていたのかもしれない。とは言え多くは楽しく聞ける音楽だし、最近ではかなりリイシューが進んできたので、これから再評価されるのではないかと期待しているのだが。
一応ウェストンは好きなので彼の作品はほぼ揃えていたのだが、この1975年のOwl盤だけは、たまたま最近まで買っていなかった。ウェストンは何枚かソロ・ピアノ作を残しているが、たぶんこれが一番聞きやすいのではないか。EnjaからもNuit Africaineというタイトルで出ているが、曲順が異なり、しかも2曲「Jejouka」と「Portrait of Myriam Makeba」が削除されている。2曲とも良い演奏なので、よほど何か理由がなければこのOwl盤を探した方が良い。
Owlにはピアノに限ってもぱっと思いつくだけでミシェル・ペトルチアーニの初期傑作群があり、スティーヴ・キューンの名作もあり、ギル・エヴァンスとスティーヴ・レイシーとのデュオもあり、地味ながら充実したレーベルなのだが、フランスが拠点のせいかどうも流通がアレというか、普通に手に入らないのが困る。中古も高騰しがちだし、なんとかならんものか。
そのものずばりはYouTubeに見つからなかったので同時期のソロ・ピアノ作を(たぶんこちらのほうが有名)。
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