Together / Oregon

オレゴンというグループには正直全く興味が無く、そもそも最近まで存在を知らなかったのだが、彼らの単独名義の作品は今聞いてみてもやはりそんなにはピンとこない。ジャズっぽさはともかく卓越した即興演奏家集団であることは誰の耳にも明らかなので、単純に個人的好みの問題ではある。

例外的に心からかっこいいなあと思うのはこのTogetherで、1976年の録音だがなぜかエルヴィン・ジョーンズと組んでいる。ジャケットでは卒業写真撮影の日に欠席した奴みたいな扱いではあるが、ドカドカとたたみ込むいつもの通りの容赦しないドラミングで、オレゴンのちょっとフュージョンというかニューエイジっぽいさわやかな飛翔感に強烈な推進力を与えている。不慮の死を遂げたコリン・ウォルコットのタブラとの相性も抜群だ。おそらくオレゴンの最もジャズっぽい作品でしょうね。前年のIn Conertあたりも悪くはないのだが…。

そういえば2曲目のLucifer’s Fallはここでギターやピアノを弾いているラルフ・タウナーの曲で、当時バリバリの新曲だったと思うのだが、なぜかスタン・ゲッツがレパートリーにしていた(録音としては1975年のLeft Bank Jazz Societyでのライヴなどが残っている)。天才ゲッツはどんな曲でもゲッツ流に吹きこなしてしまう人で、正直ここでのオレゴンのオリジナル・バージョンよりゲッツの解釈のほうが優れているような気がするが、まあ自分よりうまく演奏してもらうのは作曲者冥利に尽きるということですよね。

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