The Storyteller: A Musical Tribute To Yusef Lateef / Nat Birchall
Spotify等で音楽配信は(少なくとも日本では)されておらず、CDも入手困難というアルバムが結構あるのだが、そういうのは案外Bandcampであっさり手に入ったりする。これもその一枚。
ユセフ・ラティーフはジャズから出発してワールド・ミュージックという言葉が生まれる前からひとりワールド・ミュージックみたいなことをやっていた人だが、2013年に亡くなってしまったラティーフへのトリビュートをマンチェスター出身のイギリス人サックス奏者、ナット・バーチャル(と読むのですかね)がやるというのが面白い。バーチャルの自作曲、ラティーフが作曲した曲に加え、ラティーフがアレンジした「スパルタカス愛のテーマ」とか「リンゴ追分」もやっていて、演奏も変拍子に加えてトルコのズルナ、ジンバブエのムビラ、マリのバラフォン、エジプトのアルグルといった様々な民族楽器を使うという、ラティーフ追悼にふさわしい多面的なエスノ・ジャズに仕上がっている。特に「リンゴ追分」は私が聞いた中では最良のジャズ・カバーのような気がする。ジャズでも結構演奏されるし、昔スカタライツがスカでカバーしたりもしていたが(たぶんリンゴォ・キッドと間違えているが、あれの元ネタもアーサー・ライマンとか中村とうようとか竹中労とかではなくてたぶんラティーフじゃないのかなあ)、あのメロディは何かこう外国の人の琴線に触れるのですかね。おすすめ。