Bedtime Stories / Billy Childs
年末年始は情けないことにぎっくり腰になってしまい、文字通り身動きが出来ず何も出来なかった。そんなわけで買ったまま放置というか積ん聴(?)していたCDを黙々と消化していたのだが、これもその一枚。
ビリー・チャイルズは1993年に出したPortrait of a Playerがとても良く、演奏もアレンジも作曲も冴えていて才能のあるピアニストだなあと感心することしきりだったのだが、以降はあまり印象に残る作品が無かった。手癖とまでは言わないが、展開が割と決まっているというか、よく出るアウトスケールのフレーズがいくつかあって、実は抽斗が少ないのかなと思ったこともある。その割にこの10年でグラミー賞を3つ取ったりして(ただし作曲やアレンジの部門)ようわからんのであるが、近年はストリングスを交えて、ジャズとクラシックの融合とか、そういう方面で活躍しているらしい。
これは2000年の録音で、いわゆる純ジャズのピアノ・トリオものとしては今のところ最新の作品になるようだ。大枠はハービー・ハンコックへのトリビュートという企画で、ハンコックの曲を6曲、残りはショーター曲が1つ、エリントン曲が1つ、そしてビル・ウィザーズのAin’t No SunshineとスティングのFragileのカバーという構成。
全体にスローからミドルくらいの落ち着いたテンポの演奏が多く、もう少しアップテンポで熱っぽくやってくれるといいのにと思わないでもないのだが、まあ、そうするとベッドタイム・ストーリーという感じでは無くなってしまうだろうから、これはこれで良いのかもしれない。個人的には高級イージーリスニングという感じでちょっと食い足りなかった。例によって手癖的フレーズも結構出てくるので、それが気になってしまう人もいるだろう。
こんな感じです。
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