Return / Christian Escoude

フランスのギタリスト、クリスチャン・エスクーデというとチャーリー・ヘイデンと組んだGitaneしか知らなかったが、最近はこれをよく聞いている。Enjaもそうだが、イタリアのRED Recordsも大概はすでにCD化されていたり音楽配信されていたりするのに、契約の都合か、なぜか再発されていないものがいくつかある。これもその一枚で、CDには結局ならなかったようだが最近になってSpotify等では(ジャケットを変えて)ようやく配信されるようになった。今年エスクーデが亡くなったことが関係しているのかもしれない。

Gitaneはベースとのデュオという地味な形態で、しかもヘイデンの重低音がものすごい存在感を示していてエスクーデの影はやや薄いのだが、このアルバムはベースのジャック・ヴィダル、ドラムスのアルド・ロマノとのギタートリオなので、普通といってはなんだがオーソドックスなジャズを縦横無尽に展開している。フランスでジャズギターというとどうしてもジャンゴ・ラインハルトを意識せざるを得ないようだが(エスクーデ自身ロマにルーツがある)、そこまでジャンゴくさいわけではなく、しかし明らかにアメリカのジャズとは違うヨーロッパ的な味わいがそこかしこからにじみ出てくるのでおもしろい。ミシェル・ペトルチアーニもデビュー作で演奏していたロマノ作のChrismas Dreamがこれからの季節良さそうですね。

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