Land Of Secrets / Max Middleton

Spotifyに関してはいろいろ言いたいこともありますが、しかし定額聴き放題でないとなかなか手が出ない音楽というのもあるわけで、これなんかもSpotifyが無ければ聴かずに終わったような気がする。20年近く前の発表、それも自主制作みたいなものだったようですし…。いちおうBandcampでも売られている。この後ミドルトンが出した作品は日本にちなむものがいくつかあるが、ランド・オブ・シークレッツというのはもしかして日本のことなんですかね。Cherry Blossom Blueなんて曲もあるし…。

マックス・ミドルトンというとジェフ・ベック・グループの要、パット・メセニーで言えばライル・メイズに匹敵する存在という印象だが、この初ソロ作ではあまりベックぽさというかロックぽさは無く、軽くて都会的なファンクというか、言ってしまえば渋めのスムーズジャズである。Miles Awayという曲ではマイルス・デイヴィスっぽい泣きのトランペットをかぶせたり、かなりジャズを意識していることが読み取れる。ミドルトンは引き出しが多くてジャズやブルーズにも対応できる力量を持つキーボーディストだが、リズム面でも2003年当時の流行りを柔軟に取り入れていて気持ちよい。ダサかっこいい、という表現が個人的には一番しっくりくるのだが、そう言われるとミドルトン自身は怒るかもなあ。

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