グッド・フェローズ / 小林陽一

和ジャズとか言ってもてはやされていたけれど、個人的には日本人が演奏する、特に2000年代以前とかの昔のストレート・アヘッドなジャズにはあまり関心が持てなかった。それは結局ノリというかリズムに違和感があったからなのだが、まあこれは当方がハードバップとかファンクとか、要するに黒人的なノリに浸りすぎているからだろう。ヨーロッパもそうだったが、結局1960年代以降の非黒人のミュージシャンの多くはノリとかグルーヴをあまり必要としない(というのは語弊があって、分かりやすい定常ビートがなくとも内在的なリズム感というのは常にあるのだけれど)フリーの方向に向かったわけで、そちらの方面では日本人も大きな成果を挙げている。逆に最近ではドラムスの教育メソッドが確立されたということなのか、若い世代はどこの国でもほとんど同じリズム・フィールで演奏しているように思える。それはそれで個性という点で良いのかという気がしなくもないが…。
というわけで、1992年のこのアルバムも全く眼中に無かったのだが、今聴くとなかなか楽しい。Spotifyさまさまである。ノリも良いし、昔のジャズの焼き直し感というか若年寄感も(今となっては)あまり無く、なによりはつらつとした気分というか、天井が高い部屋のような解放感がある。リーダーでドラマーの小林陽一は当時ニューヨークに住んで武者修行をしていたようだが、ラップ?風のリズムに挑戦してみたり、幻のピアニスト、サディク・ハキムの曲を取り上げていたり、当時のニューヨークのジャズ・シーンの流行みたいなものも垣間見えて興味深い。
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