Tough Tenors Again 'N' Again / Eddie Lockjaw Davis & Johnny Griffin
このところMPSレーベルの再発が地味に進んでいてうれしいのだが(しかしいつまで経ってもバリー・ハリスやハンク・ジョーンズのトリオものは出ない)、これもそうしたものの一枚。ドイツ製の輸入盤なのに紙ジャケ、しかも一部日本語が書かれた紙の帯が巻いてあるという謎仕様なのだが、まあそれだけ日本の市場を意識してるんでしょう。
2テナーというかサックス・チームものは、ジーン・アモンズとソニー・スティットとか、ズート・シムズとアル・コーンとか、片方が豪快さんでもう片方が器用な女房役という性格付けがある程度はっきりしていたほうがしっくりくると思うのだが、さらに加えて、豪快さんのほうに意外と繊細な面が、女房役に例えば音色やスピードの面で力強いところがあったりすると、バランスがとれて聞き飽きのしない名コンビということになる。この二人も例外ではなく、ロックジョウがひたすらダーティに濁った音で迫り、グリフィンがやや高音域を多用して比較的軽快に吹き流す、という役割分担が基本なのだが、ロックジョウはバラードも得意だし、グリフィンは当然シカゴ・テナーらしいコクのあるところを随所で披露していて、そのへんがこのチームが長続きした秘訣なのだろう。まあここで目立っているのは、どちらかと言えばロックジョウですかね。
バックがクラーク=ボラン・ビッグ・バンドのリズムセクションそのままというのも、ややこじんまりとはしているが悪くない。ケニー・クラークの無駄のないシンプルなドラミングの良さ、というのが私はずいぶん長いこと理解できなかったのだが、ふと分かってしまうと中毒になりますね。
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