Evan Parker At The Finger Palace

病中はこれも良く聞いた。なぜかWikipediaのエントリには記載がないのだが(別名称があるのかしら?)、イギリスの鬼才エヴァン・パーカーが1978年にアメリカで行ったソロ・ライヴの記録である。CD化はされていないと思うが、YouTubeにあることに気づいてもう大喜びですよ。

サックスの奏法のことは全く知らないが、ソプラノ・サックス・ソロなのにいくつかの音が分離して聞こえるのである。しかも息継ぎがない。おそらく循環呼吸と超高速フィンガリングとあと何か特殊奏法を組み合わせているのだろうが、結果として何がなんだか分からない、エヴァン・パーカーのフリー・インプロヴィゼーションとしか言いようがない音になっている。音楽とすら言えないような気もする(騒音とか言っちゃダメ)。でも変にセンチメンタルな文脈に回収されない徹底して即物的な音のほうが、体調が悪いときには沁みるのである。内容がこれなのに、ちょっとほのぼのとしたイラスト・ジャケットもいいですね。

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