Machine Gun / Peter Brotzmann

1968年録音、ヨーロッパ・フリー初期の重要作と目されるもの。サックス3人、ベースが2人、ドラムスが2人、ピアノ1人という、確かに8人だからオクテットと言えばそうだがジャズでは割と珍しい大きめの編成で、最初のサックス三管(ブロッツマン、エヴァン・パーカー、ウィレム・ブロイカー)の分厚い猛然としたアタックから各人のソロというか咆哮、間欠的に盛り上がるアンサンブル、またソロ、という構成が延々と続いて最後はなぜかジャズ・ロック風というかズンドコ節みたいに終わるという、誰が聞いてもたぶんインパクト満点な作品である。この出だしはなんとライオネル・ハンプトン・オーケストラのサックス陣(イリノイ・ジャケーやアーネット・コブ)の演奏にインスパイアされたらしいのだが、言われてみれば納得だ。

私が知る限り、これは最もアッパー系というか、騒音といえばそうですけど聞いていて「楽しい」フリー・ジャズだと思う(聞いていて落ち込むというか、辛気くさいフリー・ジャズもあるのです…)。しばらく前、唯一残るライヴ・バージョンも加えたThe Complete Machine Gun SessionsとしてCDで再発されたのだが、Spotifyなど音楽配信プラットフォームではそちらの完全版を配信しているのもうれしい。いやーいつ聞いても盛り上がるな。やはりフリー・ジャズはどこかお祭り感が無いといけないような気がするんですよ。

comments powered by Disqus