The Heardth / Cecil Taylor with Tristan Honsinger & Evan Parker

先日ペーター・ブロッツマンについてブログに書いたら翌日ブロッツマンが亡くなってしまうということがあったが、今日たまたまトリスタン・ホンジンガーを聞いていたら、昨日(8/5)亡くなっていたことを知った。シンクロニシティというやつですかね? もちろん、皆そういう歳になってきているというだけの話だが。享年73。

チェロというジャズでは割と珍しい楽器(オスカー・ペティフォードのようにベーシストが持ち替えで使うことはあったが、専業はあまりいないと思う)で、しかもフリー・インプロをやるという点では、たぶんホンジンガーが唯一無二だったのではないか。デレク・ベイリーとの付き合いも有名だが、個人的にはセシル・テイラーとエヴァン・パーカーという、これまた唯一無二の強者たちと組んだこの作品が好きでよく聞いている。1988年、テイラーがベルリンに1ヶ月ほど滞在していたときの一連のFMP録音の一つで、The Hearthは「かまど」という意味のようだが、確かにかまど的というか、爆発こそしないがずっとぐつぐつと煮立ったような60分一本勝負のライヴである。三者三様のつばぜり合いを見せる演奏内容も優れているが、ピアノ、サックス、そしてチェロの音が深みのあるとても良い音で録れていて素晴らしい。

The HearthはAmazon.co.jpでは売られておらず、YouTubeにも無いみたいなので、後年1995年のホンジンガー入りテイラー・クインテットのライヴ映像を。軽みはあるものの、The Hearthほどの緊張感はないですが…。

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