NITE-IZE Gear Tie

本人が自分の欲しいものをよく理解していない、ということがある。不便を感じてはいるのだが、それを解決する具体的なソリューションが分からない、ということがあるわけです。その不便が甚だしく耐えがたいものでない場合、本腰を入れて解決する気にならないので、ずっとマイルドな不便が続くということになる。

私にとっては、USBやイヤホンのケーブルを束ねる、というのが長年の不便の源であった。ねじりっこと言いますか、細い針金みたいなのが付いてくるので、それをぐるぐるねじって留めることが多いのだが、使用頻度が高いケーブルだといちいち使うたびにねじるのが面倒くさい。しばらく使っていると切れたりもする。100円ショップに行くとベルクロのケーブルタイが売られているが、これも長さが微妙だったり妙にベルクロが強力だったりして使いにくいこと甚だしい。イヤホンケーブルだと、音楽プレーヤなりスマホなりにぐるぐる巻き付けてしまうという手もあるが、これまた面倒くさいし断線の恐れもある。近年ではコードホルダーというのか、ケーブルを巻き付けるガジェットもあったりするが（こういうのとか）、これもいちいち巻き付けるのが面倒くさかったり、サイズが微妙できちんとケーブルを固定してくれなかったりして、大方コードホルダー自体を失くしてしまって終了、ということに相成る。

そんなわけでわたくしはずっとぼんやりした不満を抱えて生きてきたのであるが、昨日たまたま渋谷の銀座伊東屋に入ったら、このナイスなグッズが神の啓示のごとく目に入ってきて思わず買ってしまった。実は何年か前からあるようで、Amazon.co.jpでも扱いがあるくらいなのだが、不勉強で全く存じませんでした。私が買ったのは長さ3インチでイエロー4本入りというものだが、長さや色のバリエーションはそれなりに豊富にあるようだ。

ようは太めの針金（？）をゴムか何かで包んであるだけの、高級ねじりっこのようなものなのだが、針金の強度が絶妙で、そんなに力を入れなくてもくねくね曲がるのに、ちゃんと曲がった形状が保持される。だから、ぐるっとひと巻きふた巻きするだけでちゃんとケーブルを結束してくれて、外すのも簡単なわけです。ただそれだけなんですが、その「それだけ」をちゃんとこなしてくれるものが無かったのだ。

まあ、一本100円以上という、ねじりっこだったら軽く100本くらい買えそうな値段ではあるのだが、それだけの価値はあると思った。今回は一番短い3インチを買ったが、もう少し長いのを買い足そうかなと思っているくらいである。今は長年の宿便が砕け散ったかのような幸福感に包まれている。