Speaking In Tongues / Rachel Eckroth & John Hadfield
これが2025年の ジャズの ベストかと言うとややためらうところもあるのだが、私は結構好きで良く聞いた。Speaking In Tongues、舌でしゃべるというのはいわゆる異言のことで、話者が知らない意味不明な言葉を突然話し出すという超常現象のことだが、私のような宗教心の無い人間ですと映画「エクソシスト」の1シーンとかが思い浮かびますね。
生ピアノに加えて様々なキーボードを駆使するレイチェル・エクロスと、ドラムスを叩くだけではなくドラムマシーンやらなにやらも使いこなすジョン・ハドフィールドという組み合わせで、サウンド的にはニューエイジっぽいところもあり、俺こういうのちょっと苦手なんだけどなーと思いつつ、細かいリズムの動きが気持ちよいのでおとなしく聞いてしまう。リズムは打ち込みかと思ったらどうも大半は人力でやっているみたいなので驚いた。
むかし高柳昌行が「汎音楽」というようなことを言っていて、私が理解できているかというのもあるけどそもそも高柳自身がどこまで概念化できていたのか良く分からないのだが、おそらくありとあらゆるスタイルを取り込むことでスタイルという議論そのものを無化する、そうすれば音楽の質はスタイルやジャンルといったものとは無関係に絶対的水準として存在するようになるんだ、ということだったんじゃないかと思う。晩年のジョー・ザヴィヌルもそんなところがあったが、これもそういう系統で、様々なスタイルに由来するモチーフが万華鏡のように登場して楽しい。だが、この種の音楽はそれだけだと散漫に感じられることも多いのである。何か芯が必要なわけで、ザヴィヌルはサリフ・ケイタのものすごいヴォーカルを投入したりしていたが、結局今回「ジャズ」としての緊張感を担保しているのはたまに出てくるエクロスのピアノのフレーズの切れ味だったりする。
録音風景?この曲はあまり凝ってないのでライヴでもできそうだが。
これもライヴでやっているみたい。ドラムスがすごい。今やジャズも設備産業というか、いろんな機材が要るんですな。
Apple Musicでしか配信してないみたい。
Archives
Tags