Music From The Source / Cecil McBee

ミュージック・フロム・ザ・ソース

知らない間にこれもCD化されていた。どうやら世界初ではないらしく、むかし海外ではCDになったことがあるのかな?Enjaレーベルには、聞いたことがないアルバムがまだまだ結構あるな…。

「セシル・マクビー」というと日本では女の子向けのファッションブランドとして知られていたが、ジャズ・ファンにとっては偉大なベーシストの一人である。マクビー氏は山下洋輔のバンドにもいて来日経験も豊富だったので、当然なぜか自分の名前が日本でブランド名になっていることも知っていて、訴訟も起こしていたが(お前はジャズ以外では大して有名ではないから許可無くブランド名にされてもOK(意訳)みたいに判決では言われて気の毒だった)、そもそも最近ブランドが消滅したらしいので、まあ良かったんじゃないでしょうか。

これは今は亡きニューヨークのライヴハウス「スウィート・ベイジル」でのライヴで、マクビーに加えチコ・フリーマンのテナーサックス、ジョー・ガードナーのトランペット、デニス・ムアマンのピアノ、スティーヴ・マッコールのドラムス、ドン・モイエのパーカッションというなかなかヘビーな陣容。熱気だけは売るほどあるというタイプのハードなジャズをやり倒している。熱いというか暑いジャズで、現在のやたらテクニック的に洗練された「ジャズ」と比べると何かと雑なところもあるのだが、私は正直こういうもののほうが好きだ。

いろいろな人が言うことだが、やはり謎なのはチコ・フリーマンで、若い頃は大変注目され、特にマクビーと組んだときは迫力満点のアクの強いプレイをしてジャズ者の心をわしづかみにするのだが、そうでないときはどうも物足りない。というか、いつでもそれなりに一所懸命やっているのは分かるのだが、それに見合った迫力が出ないのである。そのまま中年から老年にさしかかりつつあるが、どうしてなんでしょうねえ。ずっとマクビーと組んでいれば良かったのに…。

ちなみにこの翌日の演奏も録音されていて、Compassionとして出ているが、なぜかそちらもCDになったことはない。ついでにCD化してくれんだろうか…。YouTubeに上がっているのを聞く限りではとても良い演奏のようなのだが。全員でやみくもに突進するPepi’s Sambaが素晴らしい。

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